

9月から10月にかけて旬を迎えるのが「戻りガツオ」です。深みのある赤色の身は脂が乗って、こってりとした味わいがたまりません。
「濃厚な味を生かして、洋風の一品に仕立ててみましょうか?」
江上料理学院副院長の江上佳奈美先生のイチ押しは、何とイタリアのミラノ名物、カツレツでした。
「本来は子牛肉で作るのをカツオでアレンジして。たたきと同じように、中まで火を通さず、表面だけを強火でさっと加熱するのがコツよ」とアドバイスしてくれました。
つけ合わせにするのはフレッシュなトマト。皮と種を除いて口当たりをよくします。鍋に湯を沸かしてトマトを入れ、10秒ほどたったら氷水で冷やすと皮がめくれ、そこからきれいにむけました。横に半分に切って、中にある種を取り出してざく切りにし、調味料を加え混ぜます。
カツオに粉チーズ入りのパン粉をつけると、江上先生は「ここからはスピードが大事。のんびりしていると火が通り過ぎてしまうわ」。加熱後に油をよく切るため、バットに油切り用の網を敷いて準備OK。フライパンに油を引き、しっかりと熱したらカツオを入れます。衣が固まるのを待って、転がしながら全面を焼きます。衣だけ火を通すイメージでさっと加熱し、バットに取ります。
包丁を入れると、中は鮮やかな赤色でした。器に盛って、トマトを添えたら出来上がり。「外の香ばしい衣はカリッと、中はしっとり。おいしいわ!」とママ。トマトをのせたらカツオのうまみとトマトの酸味が重なって、もう箸が止まりません。
| カツオ(刺し身用、300グラム) | …1さく |
|---|---|
| 卵 | …1個 |
| 粉チーズ | …小さじ2 |
| トマト | …1個 |
| 塩、コショウ、薄力小麦粉、パン粉、砂糖、サラダ油 | |